牛丼ってこんなに高かったっけ?

2024年4月12日

今回もコラムを読んでいただきありがとうございます。

突然ですけど、最近私はショックを受けました。

数年ぶりに、とある牛丼屋に行ったところ、なんと牛丼の値段が10年前と比べて、1.5倍程上がっていたのです!私が学生だった10年前は、500円を出せば、特盛の牛丼を食べることができましたが、今は800円を出さないと特盛は食べられません。

なぜ、10年の間に牛丼が1.5倍程に値上がりしたのか。

この理由を「論理」を使って、皆さんと考えていきたいと思います。

「論理」とは、物事の筋道です。牛丼がどのような筋道をたどって、お客様に提供されるのか。牛丼を三つの観点から捉えたいと思います。

まず一つ目は、人材面です。10年前と比べて人件費は上がっていますね。

その要因の一つには、人手不足が挙げられます。少子高齢化が進み、年々働く日本の若者の人口が減り続けています。お店側としては、なんとか人手を確保したいため、時給を上げているわけですね。上がった時給分が、牛丼の価格に転嫁された可能性があります。

次に食材面です。牛丼屋で使用する牛肉は、アメリカ産が多いです。

その理由は、国産よりも安価だからです。スーパーで日常的にお買い物されている方にとっては、当たり前のことだと思われます。しかし最近、アメリカ産の牛肉が値上がりしています。その要因として、ある

ニュース番組によると、天候不順で肉牛が十分に育っていない点や、アメリカ国内の畜産業の収益

を上げるために、日本への輸出用牛肉の価格を上げている点が挙げられています。さらに、ドルに対して円の価値が相対的に安くなる円安が依然進んでいる影響もあります。

最後は物流面です。

前述の通り、お店は主にアメリカから輸入された牛肉を使用しています。輸送方法を調べたところ、大型船で、アメリカから日本へ牛肉が冷凍又は冷蔵保存で送られているそうです。牛丼の値上がりは、この船での輸送に関連している可能性があります。その訳は、燃料代の高騰です。

船の燃料である重油は、主に自動車の燃料であるガソリンと同じ、原油がベースとなっています。資源不足の日本は、原油の9割をサウジアラビアなど中東諸国からの輸入に依存しています。国内外の秩序の乱れがより深刻化している最近の中東情勢の影響で、原油の価格が以前より上がり、その結果、船舶の燃料費が上がっているわけですね。

このように、牛丼から三つの要素を抜き取り、牛丼の値上げの原因を考えてきました。この抜き取ることを、「論理」では“抽象化”といいます。日常生活でよく目にする商品の値段は、牛丼のように複合的な要素で決定されます。どのようにモノやサービスの値段が決まるのか。それは、「論理」によって考えることが出来ます!ぜひ、教室“抽象化”のやり方を学びにきてくださいね!
最後まで読んでいただきありがとうございました!