“あの方”から学ぶ「徳」と「志」その②

2024年3月1日

前回に続き、今回のコラムも読んでいただきありがとうございます。

前回のコラムでは、“あの方”である渋沢栄一の偉大な業績をご紹介しました。

 

 

一農家の息子が、徳川慶喜の補佐役となり、

その後明治時代には官僚として日本の財政を管理し、

退官後は実業家として500以上の会社を創り、日本の経済を活性化させました。

身分社会の名残がある世の中で、どうしてこのような信じられない人生

渋沢は歩むことが出来たのでしょうか。

 

 

 

 

 

その理由は、ずばり「論語」にあります。

「論語」は、儒教の始祖である孔子の教えが記された書物です。

渋沢は幼い時から、「論語」熟読し、その内容を習熟し、日々実践してきました。

士農工商という身分制度があった当時では、農家出身の者が活字を読むことは珍しかったと言われています。と言いますのも、活字を読むことは、主に武士階級の者が学問として行うことで、農民や商人は学問よりも仕事をすることに重きが置かれていたからです。

農民や商人の間で学問があまり重視されていなかった時代に、渋沢「論語」を通じて、学問を幼い頃から究めていました

渋沢が幼少期から大切にしてきた「論語」には、どのような内容が書かれているのでしょうか。

それは、人が生きる上で大切な『仁・義・礼・智・信』五つの徳です。

『仁』は人を思いやる心、『義』は良心に従う正義、『礼』は人からの恩を忘れないお礼の心、『智』は物事を正しく理解する智慧、そして『信』は人から信頼される誠実さです。

これら五つの徳を、渋沢「論語」から学び、そして学んだ内容を生涯実践していきました。

このように渋沢は、「論語」を精神的支柱にし、「論語」から学んだ5つの徳を日々実践するなかで、

日本の経済を民間から活性化したいというが芽生え、見事それを実現してしまいました。