ゴキブリは害虫?益虫?
2024年6月21日
今回もコラムを読んでいただきありがとうございます!
本日6月21日は、一年で一番昼の長さが長い夏至の日です。本日を境に、徐々に昼の長さが短くなってきます。この時期は、梅雨入りのタイミングと重なり、蒸し暑い日々が続きます。我々人間にとっては、早く梅雨が明けてカラッとした夏の暑さを迎えたいですが、このジメジメした高温多湿な環境を好む生き物がいます。それは、家の暗くて狭い所にいて、夜になると忍者のように足音を立てずに動く昆虫です。
それは一体、何でしょうか?ゴキブリですね。
一般的にゴキブリは害虫とされ、殺虫剤で駆除される対象です。なぜなら、人間に不快感を与えるし、菌やウィルスを運んで食中毒を引き起こす原因にもなるからです。また、ゴキブリは雑食のため、人間が使用する石鹸や書籍など様々なものを齧ってしまうことからも害虫と見做されています。
上記より、確かにゴキブリは害虫だと思われるかもしれません。しかし、ゴキブリは世界中の人々の命を救う可能性があると言われています。というのは、ゴキブリを昆虫食、つまり食べ物として活用することで、世界的な食料不足の問題を解決できるのではないかとされているからです。
世界の食料問題に対処する国連世界食糧計画によると、世界の9人に1人、8億人以上の人々が飢餓で苦しんでいるそうです。特に人口が急激に増加しているアフリカや南アジアの国々では、地球温暖化や自然災害、紛争の影響で、十分な作物を栽培することが出来ないため、食料不足が死活的問題です。
この問題を解決するために、ゴキブリを食用として活用しようと真剣に考えている人たちがいます。例えば、メスのゴキブリが分泌する液、通称「ゴキブリミルク」は、一般的な乳牛のミルクの3倍の栄養があると、インドの研究所チームが数年前に発表しました。他の食料と比べて、ゴキブリの養殖は費用がかからず、環境にも優しいため、養殖を通じてこの「ゴキブリミルク」を大量に確保できれば、飢餓問題の解決に繋がると本気で思っている人たちがいます。
このように、栄養豊富なタンパク質がとれる食用として捉えると、ゴキブリは益虫ではないでしょうか。このコラムを通じて、ゴキブリの二面性を感じていただけたら幸いです。ある物事を理解するためには、複数の角度から考えていく必要がありますね。そう自分に言い聞かせます。最後まで読んでいただきありがとうございました!