そもそもクリスマスとは?
2024年12月25日
今回もコラムを読んでいただきありがとうございます。
定番のクリスマスソングが街中に流れ、視界には「Merry Christmas」の文字が入る時期になりました。Merryは「陽気な、お祭り気分の」を意味する形容詞で、Christmasは、文字通り「クリスマス」を意味する名詞です。さて、このコラムをお読みの貴方は、そもそもクリスマスとは何かご存知でしょうか。
Christmasという単語は、「Christ」と「mas」に分けることが出来ます。前者はキリスト教の始祖であるイエス・キリストを意味するのに対し、後者はカトリックの礼拝であるミサ(Mass)を表します。つまり、クリスマスとは、「イエス・キリストのミサ」と直訳することが出来ます。もう少し具体的に言うと、イエス・キリストの誕生を祝う特別な礼拝がクリスマスだと言えます。毎年12月25日になると、カトリック教会に人々が集い、祈り、聖歌を歌い、聖書の言葉を聞き、イエスの聖体とされるパンをいただき、イエスの誕生を祝います。これが本来のクリスマスなのです。
では、なぜ12月25日にクリスマスが行われるのでしょうか。その答えは、今から2千年以上も前のローマ帝国で行われていた冬至祭に由来します。まだキリスト教が公認される前までは、ローマ帝国の各地で、冬の邪気を払い、春の新鮮な気を呼び込むために、宴やかがり火、仮装などを含めた冬至祭が12月25日に行われていたそうです。その伝統的な冬至祭が、ローマ帝国のコンスタンティヌス帝が313年にキリスト教を公認したことで、イエスの誕生を祝う祭りに変わったとされています。以後、現在までクリスマスが続いているわけですね。
以上がクリスマスの由来についてでした。さて次に、クリスマスの日に現れる伝説のヒーロー、サンタクロースについてです。なぜ、サンタクロースという名前なのかご存じでしょうか。その由来は、4世紀頃にヨーロッパで活躍された、キリスト教の司祭である聖ニコラウスだとされています。彼は亡くなった少年を生き返られたり、身売りされかけた少女を救ったりと、数々の伝説を残しました。このような伝説がヨーロッパ中に広まり、一般の大人たちが、聖ニコラウスの子供に対する愛ある行動を見習い、彼に扮して、良い子供にお菓子のプレゼントをあげるようになりました。やがてこの風習を、オランダ移民がアメリカの現地の人々へ伝えた時、オランダ発音の「シンタークラアス」が訛って、「サンタークロース」となったそうです。ちなみに皆さんがイメージされる、赤い帽子と服を着用し、もしゃもしゃの白髭をたくわえている小太りのサンタさんは、聖ニコラウスをイメージしたものではなく、アメリカのあの大手炭酸飲料会社による、商業的なイメージ戦略により生み出されたものです。
このように、クリスマスの由来を調べていくと、イエスの誕生を祝福することが本来のクリスマスの目的であることが分かりましたね。毎年伝統的に行っているイベントに対して、「そもそもなぜこのイベントがあるのか?」と一度疑問を投げかけることで、新たな気付きが得られます。その気付きを積み重ねることで、決して揺るがない自分なりの価値観が築き上げられるのではないでしょうか。実際私は、あのサンタさんのイメージが商業的なものだったことを初めて知りました。今までサンタさんを神聖な存在だと崇めていましたが、その正体を知り、なんだか勝手に身近に感じるようになりました。最後までお読みいただきありがとうございました。