七五三の目的って?

2024年11月17日

 今回もコラムを読んでいただきありがとうございました。

 前回のコラムでは、「七五三」の由来についてお伝えいたしました。その起源は平安時代まで遡るので、「七五三」は千年を超える歴史のある伝統行事なのですね。

 さて、「七五三」目的は何かご存知でしょうか。それは、子供が氏子(うじこ)の仲間入りする7歳を無事に迎えたことにお祝いするためです。氏子とは、自分の土地の守り神である氏神様を信仰する人を指し、昔から氏子はその土地の正式な一員とされてきました。つまり、氏子になったら、社会的自覚をもったになるということです。

 医療技術が発達していなかった江戸時代までは、子供の死亡率が非常に高く、氏子入りする7歳が人生の大切な節目とされてきました。実際、「七つ前は神様」という伝承が昔からあるように、いつ死ぬかもしれない七歳までの幼児は神様の庇護の下にあり、何をしても許される存在とされてきました。このような伝承から、子供が7歳を迎えたら、“神様”から“人”への“変貌”を祝福する儀式が昔から行われ、その伝統が現在の「七五三」に継承されているわけですね。

 このように、前回のコラムと併せて「七五三」由来目的を述べてきました。「七五三」のような伝統行事を詳しく調べると、現在の社会制度に通じることに気付きます。例えば、義務教育が始まる小学一年生の年齢は7歳です。小学生になれば、親から離れた自立した時間を過ごすことになります。まさに氏子の名残が見られますね。伝統行事は記念的なイベントであるだけでなく、今の日本社会を形成している制度的な側面もあるのではないでしょうか。最後まで読んでいただきありがとうございました。