そもそも「文化の日」って?
2024年11月1日
今回もコラムを読んでいただきありがとうございます。
昨日10月31日はハロウィンでした。暗闇の中、猫の“オバケ”が電動キックボードに乗って、渋谷の街を颯爽と駆け抜けていました。16歳以上であれば、免許が無くても電動キックボードに乗れるので、きっとあの“オバケ”は16歳以上だったのでしょうか。そもそもお化けに年齢はあるのでしょうか。警察官にとって、頭を悩ませる問題ですね。
さて、11月3日は休日となりますが、その理由はご存じでしょうか。もちろんその日は、「国民の祝日」である文化の日だからですよね。1948年に定められた「国民の祝日に関する法律」により、一年間に計16日を「国民の祝日」とし、それらの日は休日と規定されました。内閣府によると、「国民の祝日」を制定した目的は、美しい風習を育てながら、より良い社会とより豊かな生活を築き上げるためだそうです。そして、文化の日には、「自由と平和を愛し、文化を勧める」という意義が込められています。
そもそも11月3日は、どんな歴史的な出来事があったでしょうか。中学の歴史の授業で、1946年のその日に日本国憲法が公布されたと教わりましたよね。先の大戦の反省から、GHQ(連合国軍総司令部)の草案を基に、戦争放棄を条文に書き込んだ憲法です。この憲法のおかげで、日本では平和な秩序が保たれているわけです。では、どうして公布日の11月3日を「憲法記念日」とせずに、「文化の日」としたのでしょうか。
一説には、11月3日は明治天皇の誕生日(明治節)であったことから、その日を「憲法記念日」とすると、戦前の日本の姿に戻ってしまうとGHQが危惧したためだと言われています。だから、GHQは学問や芸術、文学を包摂した文化を通じて、日本人の心に平和と自由の大切さを刻み込ませるために、11月3日を「文化の日」と定めたのではないかと考えられます。
このように、「文化の日」の由来を調べると、より平和で自由で豊かな世の中を希求する先人の志が感じられました。このような志を養う一つの例として、日本の歴史的な文化だけでなく、ハロウィンのような海外の文化にも興味を持ち、その文化の起源を調べてみるのもいいですね。世界の文化を理解しようとする姿勢を世界中の人々が持つようになれば、先人が描いた目指すべき世の中に近づくのではないでしょうか。最後まで読んでいただきありがとうございました。