そもそもハロウィンとは?

2024年10月27日

 今回もコラムを読んでいただきありがとうございます。

 もうすぐであのイベントの時期となりますが、何だと思いますか。もちろん、1031日のハロウィンです。本来、子供たちがお化けの仮装をして、大人に対して「トリック・オア・トリート」(ごちそうしないと、いたずらするぞ!)と言い、お菓子をもらうイベントだったはずです。しかし最近は、大人が仮装して、日頃のストレスを発散するかのように街中で騒いでいる光景を目にします。特に渋谷では、数百人規模の警察官が警備に当たる程、例年多くの“オバケ”で賑わっています。果たして“オバケ”達は、ハロウィンの由来を知っているのでしょうか。

 ハロウィンの起源は、ヨーロッパの先住民族である古代ケルト人の秋の収穫祭だと言われています。ケルト人の一年の終わりは、1031日だったそうです。その日、祭司たちは火を焚き、収穫した作物や捕らえた動物を神様に捧げ、無事に一年を終えたことに、感謝のお祈りをしました。民衆はその焚き火をそれぞれの家庭に持ち帰り、各々お祈りをしたそうです。まるで、お盆の日に日本人が仏壇にお線香を上げて、お祈りするみたいですね。

 さてここまで古代ケルト人の風習を述べてきましたが、ハロウィンとどのような繋がりがあるのでしょうか。実はケルト信仰では、1031日の晩に、家族の元に戻ってくる霊の他に、悪霊魔女も一緒に現れるとされています。その時、人々は悪霊や魔女から身を守るために、仮面を被ったそうです。これが現在のハロウィンの仮装に繋がるわけですね。

 では、子供がお化けの仮装をして、大人からお菓子をもらう文化はどこで生まれたのでしょうか。それはアメリカです。ヨーロッパからの移民によって、19世紀半ばからアメリカ社会にケルト信仰が根付いていきました。しかし、1950年代から、アメリカの企業やメディアの影響により、1031日は、“仮装した子供が大人からお菓子をもらうイベントの日”として定着するようになりました。つまり、宗教的なケルト人の伝統的祭事が、アメリカで商業的な文化に変わってしまったのです。

 ちなみに、日本でハロウィンが知られるようになったきっかけは知っていますか。それは、1990年代後半から開催されるようになった東京ディズニーランドのハロウィンイベントです。エンターテイメントの影響力は凄まじいですね。

 このように、ハロウィンのように例年行われるイベントの起源を知ると、宗教的な行事に繋がります。現代人の我々が、古代人が大事にしてきた自然に対する感謝の気持ちを忘れないことが大切ですね。最後まで読んでいただきありがとうございました。