本当に「処暑」の時期!?
2024年8月24日
今回もコラムを読んでいただきありがとうございます。
8月下旬に突入しても、日中はうだるような暑さが続いています。気象庁のホームページによると、7月と8月で最高気温が35度以上の猛暑日を記録した地点は、全国で日々200以上となっています。こんなにも暑い日々が続いているにもかかわらず、旧暦の二十四節気では、現在は「処暑(しょしょ)」の時期となります。「処」には落ち着くという意味があり、「処暑」の時期である8/22~9/6頃は、暑さが落ち着いて、徐々に過ごしやすい時期となります。ただ、現在の気温を考えると、本当に暑さは和らいでいるでしょうか。
実は、二十四節気は、古代文明である黄河文明が生まれた中国の黄河中流域で生み出されたものと言われています。今から何千年も昔に、古代中国人は、月の満ち欠けによってひと月を表す旧暦を創り上げました。ところが、実際の季節と旧暦の間にずれが生じていることに気が付きました。確かに月の満ち欠けを基準にすると、ひと月は新月から次の新月までの約29.5日なので、一年で約354日となってしまいます。一年は365日なので、実際の季節とは11日程のずれが生じていたのですね。旧暦を頼りに農作業を行っていた古代中国人は、ずれが生じてしまうと、適切な時期に田植えや収穫をすることが出来なくなってしまいます。そこで、このずれを調整するために、地球から見た太陽の一周する様子(黄道)を基にした二十四節気を創造しました。太陽の一周、つまり360度を15等分した24の季節を創り、それらを合わせて一年の季節を詳細に表現しました。その結果、一年の季節を正確に把握することができ、農作業がより発達し、黄河中流域の住民の生活がより豊かになったそうです。
このように、「処暑」は、数千年前の黄河中流域、現在の河南省付近の8/22~9/6頃の気候が由来となっています。そのため、日本と中国で場所が異なる点や、現在の地球沸騰化を考慮すると、「処暑」がこの時期の日本の気候に合っていないのは至極当然ですよね。日本の季節の変わり目の指標として、千年以上も使われている二十四節気が、果たしてこの先も大雪(大切)に残されるでしょうか。その見込みはきっと雨水(薄い)でしょう。最後まで読んでいただきありがとうございました。