お盆はなぜ休むのか?

2024年8月9日

 今回もコラムを読んでいただきありがとうございます。

 毎年8月13日頃から16日頃まで、一般的にお盆休みの時期となります。なぜお盆休みがあるのか、そもそもお盆とは何か、このコラムで明らかにしていきたいと思います。

 お盆は先祖をお迎えして供養する行事です。このことは、皆さんご存じだと思います。では、どうしてお盆がこのような行事になったのか、その由来を知っている方はあまり多くはないと思います。

 お盆の正式名称は、盂蘭盆会(うらぼんえ)です。盂蘭盆会の語源は、古代インド語であるサンスクリット語の「ウラバンナ」だと言われています。その意味は、逆さづりです。なんとも気味悪い言葉ですね。この言葉は、仏教の開祖であるインドのお釈迦様(ガウタマ=シッダールタ)とその弟子の目連(もくれん)によるお話が由来となっております。ある日、目連は、どうしたら地獄で逆さづりになって苦しんでいる母親を救えるのか、お釈迦様に尋ねました。すると、お釈迦様は、7月15日に供養しなさい、と答えたそうです。このお話から、仏教では、地獄で苦しんでいる死者を救うための行事を715日に行うことが風習となりました。6世紀に日本へ仏教が伝来して以降、死者を救う仏教の行事と、日本古来の先祖供養が合わさり、現在のお盆となったそうです。なお、ここでいう7月は旧暦なので、現在の暦では8月頃となります。

 上記より、仏教がお盆の由来だと分かりましたね。それでは次に、なぜお盆の時期は休む必要があるのか。その答えは、この時期に家族が集まり、先祖供養するためです。一般的に、先祖の霊をお迎えするお盆入りは8月13日とされ、迎えた霊を送る盆明けは、816日とされます。この期間は、前述のお釈迦様のお言葉が由来とされています。

 さて、お盆の時期と言えば、近所の公園で行われる盆踊りが伝統的に続いていますよね。公園の中央に組まれた大きなやぐらの周りを、馴染みのあるメロディーに合わせて、浴衣美人が躍る様子が目に浮かびます。コロナの時期は中断していましたが、昨年から本格的にどの地域でも再開されるようになりました。盆踊りが毎年行われる理由は、地域住民の親睦を深めたり、阿波踊りのような伝統的な踊りを継承したりする目的が考えられるかもしれません。しかし、盆踊りの本来の目的は、お盆の時期に迎え入れたご先祖様慰め、無事に彼岸に送るためだとされています。また、ご先祖様への感謝と生きている喜びを、踊りを通じて表現するためだそうです。

 このように、なぜお盆休みがあるのか、お分かりいただけたでしょうか。ご先祖様の存在が無ければ、我々はこの世にいません。お盆について調べたことで、ご先祖様に感謝する大切さを改めて実感しました。そんな気持ちを胸に、浴衣美人と華麗に踊りたいです(お盆の話で煩悩が出てしまいました)。最後まで読んでいただきありがとうございました。