「う」のつく食べ物で夏バテしない!?
2024年7月27日
今回もコラムを読んでいただきありがとうございます。
梅雨がもうすぐで明けるこの時期、テレビや広告で、「土用の丑の日はウナギを食べましょう!」という文言をよく見聞きするのではないでしょうか。この最も暑い時期にウナギを食べると、夏バテしないからと理解されている方は多いと思います。確かにウナギはたんぱく質やビタミンなど栄養が豊富なので、夏バテ防止にはふさわしいでしょう。しかし、養殖ウナギは一年中食べられるし、天然ウナギは冬が旬とされているので、なぜ夏にウナギを食べることが世間で推奨されているのでしょうか。
このきっかけを作ったとされているのが、今から250年以上前の江戸中期に活躍した発明家の平賀源内です。彼は、日本初の発電機エレキテル(摩擦静電気発生装置)や、現在の万歩計の原型、方角を測る磁針器など様々なものを発明した万能の天才です。ある日、源内が「丑の日に『う』のつくものを食べると夏バテしない」という話をどこかで聞き、それをヒントに、うなぎ屋の看板に「本日土用の丑の日」と書いたところ、そのお店は大繁盛したそうです。それ以来、ウナギは夏バテしない食べ物として今でも伝えられているのです。
看板に書かれた土用の丑の日は、夏の土用中の丑の日を指します。土用とは、立春(2/4頃)、立夏(5/6頃)、立秋(8/8頃)、立冬(11/8頃)のそれぞれ前の日までの18日間のことです。これは中国の古代思想である陰陽五行を由来とし、春を「木」、夏を「火」、秋を「金」、冬を「水」と定め、残りの「土」を四季の終わりにそれぞれ18日間ずつ配置しました。これより、夏の土用は、立秋が始まる前の7/20頃から8/7頃までの18日間となります。そして、丑の日とは、十二支を由来とした12日毎に巡ってくる日のことを表します。
上記より、夏にウナギを食べるきっかけが、発明家によるアイデアだったことが分かりましたね。他にも、発明家によるアイデアで常識が創られた事例はあります。例えば、今では常識の一日三食は、発明王エジソンによって生み出されたと言われています。日本だけでなく欧米でも一日二食が当たり前だった100年以上前の時代に、一日に三回食事を取ったことで数多くの発明品を世に出せたと、エジソンはマスコミの取材に答えたそうです。
このように、発明家と言われる偉人のアイデアは、時代が経っても色褪せません。その理由を探るため、平賀源内とエジソンのエピソードを調べると、両者にはある共通点が見つかりました。それは、たとえ世間から理不尽な批判を受けても、それに耐え、純粋な探求心を持ち続けたことです。世間ではなく、自分の心の声に正直に従う生き方が大切だと、偉人から学びました。最後まで読んでいただきありがとうございました。