天気は天の気分?

2024年7月13日

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 もうすぐ梅雨が明けるこの時期は、急に晴れたり、突然雨が降ったりと、天気不安定な日々が続いています。七夕の日の前日、東京では集中豪雨の中、爆音を出しながら連続でが落ちました。けたたましい雷の音を聞いて、驚かれた方も多いのではないでしょうか。

 梅雨が明けていない7月初旬の天気は不安定になることが多いです。どうしてこの時期は天気が安定しないのでしょうか。

 自然変化を基に一年を約5日ごとに分けた七十二候では、現在の77日から12日頃までを「温風至(あつかぜいたる)」と定めています。文字通り、暖かい風が吹いてくる時期を表します。この暖かい風は、日本の南に位置する小笠原気団という暖かく湿った空気の塊が原因で発生します。暖かい風と直射日光が合わさることで、地上付近が非常に暖められ、強い上昇気流が発生します。すると、水蒸気を多く含んだ空気が激しい上昇気流によって上空へ運ばれ、上空で冷えることで、むくむくと垂直に発達した白い雲が出来ます。これが積乱雲です。

 積乱雲は漢字から分かる通り、乱れて積み重なっている雲です。通常上空では、冷たい空気の方が温かい空気より重いため、下に冷たい空気、上に温かい空気がある状態が安定的な雲です。それに対して、積乱雲は、地上で暖められた温かい空気が強烈な上昇気流によって冷たい空気に入り込んでいる状態の雲です。そこでは冷たい空気と温かい空気が入り乱れていて、空気に含まれる氷の粒が激しくぶつかり合い、静電気が発生します。そして、抱えきれない程の静電気を持った積乱雲は、電気を手放します。これが落雷です。ゲリラ豪雨を伴う落雷をもたらす特徴が積乱雲にあります。そのため、積乱雲雷雲ともいわれます。

 このように、7月初旬の天気が不安定なのは、積乱雲が関係していることが分かりました。天気は天の気分だからと天気の原因を考える人がいなかったら、きっと地学という学問は発展しなかったでしょう。日々の天気の共通点を抜き出し、法則性を見つけた人のおかげで、今では未来の天気を予測することが出来るようになりました。法則性を見つけるには、抽象化という論理的な頭の使い方が必要です。この論理的な思考法を学びたい方は、ぜひ当塾の夏期講習にご参加ください!

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