なぜ七夕(たなばた)なの?

2024年7月6日

 今回もコラムを読んでいただきありがとうございます。

 梅雨の中、日本各地で猛暑日に迫る蒸し暑い日々が続いていますね。電気代を節約したいため、節電を心がけたいものの、この地球沸騰化の時代に、エアコンを使わざるを得ない状況が続いています。一日でも早く、エアコンを使う必要のない、人間にも地球にも快適な日が来ることを願っている人は多いのではないでしょうか。神社で見かける短冊にそのような願い事が書かれているかもしれません。

 77日は、七夕の日です。五節句の一つとされていて、一年の中で大切な季節の節目の日です。七夕の由来は、古代中国から伝わった牽牛星(わし座のアルタイル)と織女星(こと座のベガ)の星伝説「七夕(しちせき)」と、裁縫の仕事を司る織女に対し手芸の上達を願う行事である「乞巧奠(きっこうでん)」が由来と言われています。「乞巧奠」は織女星が光り輝く77日の夜に開催され、古代中国の人々は、短冊に手芸や書道の上達に関する願い事を書いたそうです。その風習が奈良時代に日本に伝わり、貴族の間で流行り、江戸時代には庶民にも普及したとされています。

 七夕の由来は中国にあると分かりましたが、なぜ「乞巧奠」が日本の貴族に受け入れられたのでしょうか。その答えは、日本古来の棚機津女(たなばたつめ)の伝説が考えられます。棚機津女は、神を迎えるために神衣を織る乙女とされており、古事記万葉集にその記述があるそうです。日本古来の棚機津女の伝説と中国古来の「乞巧奠」は辻褄が合っていたことから、貴族の間でその風習が流行したのでしょう。

 上記から、七夕「たなばた」と読み、短冊に願い事を書く由来をお分かりいただけたかと思います。昔からの伝統として当たり前のように行っていることに疑問を持ち、その由来を調べると、腑に落ちることがあります。そのような批判的探究心が自分なりの価値観を創っていくのではないでしょうか。最後まで読んでいただきありがとうございました。