なぜ誕生日はケーキなの?
2024年6月8日
今回もコラムを読んでいただきありがとうございます。
前々回の「毎日特別な〇〇の日」のコラムで、一日一日が何かしらの特別な日だというメッセージを掲載しました。それでは日本だけでなく、世界中にいる人々にとって特別な日はいつでしょうか?
誕生日ですよね。
誕生日に、家族や友人、職場の方に「お誕生日おめでとうございます!」と言われると、何だか嬉しい気持ちになります。また、誕生日においしいケーキを食べると、とても幸せな気持ちになりますね。
さて、そもそもどうして誕生日にケーキを食べるか疑問に思ったことはありませんか。
誕生日ケーキの由来を調べると、今から数千年前の古代ギリシャ時代まで遡ります。古代ギリシャ人は、ギリシャ神話に出てくる月の女神であるアルテミスの誕生を祝うために、満月の形をしたケーキを供えたと言われています。その際、天にいるアルテミスにお祝いの気持ちを目に見える形で届けたいと思った彼、彼女らは、天に上がるろうそくの煙を気持ちに見立てたので、ケーキにろうそくをさしたそうです。その名残が今でも世界中で続いているわけですね。
以上、誕生日ケーキの起源が分かりました。それではいつ、日本に「誕生日ケーキ」が外国からやってきたかご存知でしょうか。
調べてみると、面白いことが分かりました。そもそも日本には、誕生日という概念が無かったことが判明しました。なぜ誕生日が無かったかというと、昔から日本では、誕生日のベースとなっている満年齢ではなく、数え年を採用していたからです。満年齢とは、生まれた時を0歳とし、それ以降は誕生日が来るたびに1歳ずつ増える年齢の表し方で、欧米で伝統的に取り入れられています。一方、数え年は、生まれた日を1歳とし、正月を迎えるごとに全ての人が一つ年をとる年齢の表し方です。数え年が常識だった頃の日本では、毎年個人の誕生を祝う考えが無かったと言われています。
日本で満年齢が普及したのは、1949年に「年齢のとなえ方に関する法律」が公布されてからだそうです。この法律によって、年齢の基準がそれまでの数え年から満年齢に変更されました。それ以降、満年齢の普及とともに誕生日という概念が日本国民に拡がりました。さらに戦後、アメリカの影響で「バースデーケーキ」が日本で根付き始めたことも重なり、誕生日にケーキを食べるという常識が生まれたわけですね。
このように歴史を振り返ると、日本で個人の誕生日にケーキを食べる習慣は、まだ100年も経っていません。意外ですよね。
ちなみに、日本で初めて個人の誕生日を祝ったとされているのが、織田信長です。今から約500年前、南蛮貿易(ポルトガルやスペインとの貿易)をしていた当時、西洋からキリスト教が日本に伝来しました。その際、誕生日という概念も日本に伝わったと言われています。新しいもの好きな信長は、誕生日という考えに興味を持ち、個人的に誕生日を祝ったそうです。
誕生日を通じて、現在常識とされていることは、昔は非常識だったことがお分かりいただけたかと思います。最後まで読んでいただきありがとうございました!